『「食べる」ことの援助-今起こっていることと今後への提案』が開催されました!

2013年9月8日虎の門病院において、講師に佐藤良枝先生をお招きし、
『「食べる」ことの援助-今起こっていることと今後への提案』を開催いたししました。
当日の参加者は35名と、今回、ご協力頂きました
虎の門病院のリハビリテーション科の方々を中心とした
スタッフ7名の合計42名の参加となりました。

神奈川県にお勤めの作業療法士の方ならご存知かもしれませんが、
講師の佐藤先生は神奈川県作業療法士会ウェブサイトに
かわいいイラストとともに、「よっしーずボイス」を連載されています。
http://kana-ot.jp/wp/yosshi/category/voice

※他にも「月刊よっしーワールド」もございます!ぜひご覧ください!

はじめは佐藤先生より、食べ物の食べ方についてのレクチャーがありました。
介助の微妙な差により、「食べ方」が変わるのが分かります。

早速、隣の席同士でお互いに実際に食事を介助しあい、感覚を確かめました。

「う~ん。全く違う。」

スプーンをあてる場所、タイミング、スプーンを口から抜く角度…。
わずかな差で、本当に違います。

ちょっと分かりづらい時に、
実際に佐藤先生の介助方法を見せていただきました。
一瞬の事でしたが、自分が今までやってたことが恥ずかしくなるくらい、
明らかに違います。
上手く言葉で表現できませんが、「型」がビシッと決まっているという感じです。

その後も、実技を交えながら、楽しく熱い講義は続きます。

スタッフや対象者の方々の
手の写真(スプーンの持ち方)を撮影したり…
実際に食事介助をしている場面の「音」を録音したりと…
その視点はなかった!ということのアイデアの連続でした。

『「食べる」ことの援助-今起こっていることと今後への提案』が開催されました!

今まで無自覚だった自分の対応等、講義が進むにつれ
どんどん恥ずかしい気持ちになります。
教科書には書いていない、臨床や実際の場面から導き出された答えだからこそ
突き付けられた事実に言い逃れはできません。
様々な事例を紹介しながらのレクチャーで、一日一回の食事の介助の方法を改善するだけで、
最も重度の認知症のある方でも食事の仕方が変わるということが良く分かりました。

驚きだったのは佐藤先生が「食事」のみにフォーカスを当てた講演はこれが初めてだったとのこと。
大変濃密で練られた講義内容だったので、様々な所で御講演されているものかと思っていました。
参加者の満足度も大変高く、非常に得るものが多い講習会でした。

余談ですが、今回会場としてお借りしました虎の門病院の講堂には、
以前の虎の門病院院長の冲中重雄先生のお言葉
(正確に言うと沖中先生の好きな言葉のようです)が掲げられていました。

「書かれた医学は過去の医学である.
目の前に悩む患者の中に
明日の医学の教科書の中身がある.」

偶然にも、今回の講演の内容はこの言葉にぴったりの内容でした。
この場所で開催したことも何か不思議な縁なのかもしれません。

佐藤先生、虎の門病院のスタッフの皆様、本当にどうも有難うございました!